陽の末裔

大正八年。東北の没落旧家の末娘の南部咲久子(12)と貧農の娘・石上卯乃(13)は親友。貧しさ故に進学もできない二人は、社員を募集しにやって来た村木に連れられ東京へ行く。一緒にやって来た おひで(17)に村木が乱暴したのを咲久子は見てしまう。「おれあ、おめえを一番楽しみにしてるんだぜ。早く娘になりな」村木はそう言って笑った。村木の部屋から出てきた ひで は憎そうな目をして泣いていたのに、次の日には村木を見て愛しそうに頬を染めていた。咲久子にはその理由がわからなかった。