沼 [つげ義春コレクション 李さん一家/海辺の叙景所収]

ハンチング帽を被り森に狩りにやってきた主人公の青年は、のほとりで無表情で不思議なおかっぱの少女に出会う。撃ち落としたはずの雁を探す青年に対して、少女は雁のもぎ取った首を差し出す。少女は青年を自宅へ案内し、2人きりにすると扉を閉め切ってしまう。少女は部屋の中でヘビを飼っており、眠っているときに「私の首をしめにくる」、「夢うつつなれど 蛇にしめられると いっそ死んでしまいたいほどいい気持ちや」と謎の言葉を残し眠りに就く。深夜になっても眠れない青年は、そっと少女の首を絞めてみる。翌朝、少女は義兄に見知らぬ男を泊めたことを責められるが、少女はヘビが逃げてしまったことをしきりに訴える。青年は1人、のほとりに立ち、対岸に向け引き金を引く。