朝日の恋人

都立港高校の1年生として、青春の入り口に立った坂本征二の前に現われた美少女・天地真理。ホーム下に転落した見知らぬ子供の命を、身を投げ出して救い何の見返りを求めない無償の愛の精神を持ち、スポーツも万能である彼女は、征二だけではなく学校中の男性達を魅了した。実は真理の行為には理由があった。彼女は関東一帯に二千人の子分をほこる大暴力団・朱紋組の組長の娘であり、そのことを自らの十字架として背負うが故の行為だったのだ。ある日、その抗争の犠牲となり征二が怪我を負った事により、真理が暴力団の娘という事実が知れわたるや学園中が騒然となる。学園のアイドルが一転して仲間はずれにされるが、奥多摩キャンプで激流に巻き込まれた征二達を命をかけて救った事によって、みんなとは和解、真理の機転で朱紋組は解散し、彼女に明るい学園生活が戻った。その後、元朱紋組の幹部の息子・伊達竜次、上級の転校生・南条由実との間に様々な事件が巻き起こる。征二は、それらの事にも無償の愛の精神で応える真理の行動や言動をカガミとして、男の条件や青春の条件を追求してゆくのだ。やがて3月。征二にとって、高校進学という青春の朝に出会った天地真理という朝日の恋人との高校生活一年目は過ぎようとしていた。