噂の武士 [つげ義春コレクション 李さん一家/海辺の叙景所収]

温泉宿を訪れた若い武士・平田は、ただならぬ雰囲気を持つ武芸者と相部屋となる。その立ち居振る舞いや、背中の刀傷、播州の浪人であることなどから、武芸者が宮本武蔵であると確信する。やがて武蔵と思しき武芸者は評判となり、宿屋に人が集まるが、その正体は宿屋に雇われた客寄せだった。その事実を知った平田は、才能があっても世に出られない武芸者の悲哀と、生きることの厳しさを痛感し、武芸者の生き方に感銘を受ける。