デロリンマン

主人公三四郎は自殺未遂によって、顔面を般若のような奇怪な風貌になるまでに損傷し、周囲からは精神にも異常をきたしたと思われるが、本当のところはどうなのか定かではなく、物語の中でもこの辺りについては、曖昧にされている。彼はデロリンマンと名乗り、人間を救う使命を帯びていると語るのだが、周囲の人間にはただの思い込みとしか映らない。ボロを纏い、その下は赤褌一枚で街を歩きつつ、自分は「神」であり、「魂のふるさと」であるという。デロリンマンは妻のママ子と息子の四郎に自分が三四郎であると語るが信じてもらえず邪険にされる。周囲の人々もデロリンマンを嫌い、嘲笑し、子供らも率先してデロリンマンを騙して遊ぶ。しかし、正義を担うデロリンマンは、何度踏みにじられても再び立ち上がり、「愛」と「正義」を説き続けるのだった。そんな、正義は愛に基づくと主張するデロリンマンに対して、「愚か者め!」と叱責し、力と外見こそ正義と主張するしばしば涙を流しているように見える謎の仮面怪人オロカメンや、さらに悪の権化・紅トカゲも物語に加わり、悲喜劇は陰影を増していく。