シェリフ

近未来。財政緊縮と地方自治強化を狙いとした行政改革の一環として、警察組織が一気に解体された。国家警察として残された機関は全国警察組織を束ねる行政機関の警察庁のみ。警視庁や地方警察本部をはじめとする現業機関は全て半民営化される。特に地方警察の警官たちは保安官(シェリフ)と改称。都道府県・市町村などの各地方自治体や町内会・地区などの地区民生組織に雇われる存在となる。大半は元からあった警察組織がそのまま引き継がれたが、警備会社への委託や、進之介の様に自治組織代表者(市町村長)に個人的に雇われた者もおり、甚だしき場合は地元の暴力団組織が保安官業務を行う土地もある。警察の半民営化により治安は荒れ、犯罪者には賞金が課せられるようにもなった。それを狙いとした専業の賞金稼ぎ(ハンター)も新商売として出てくるようになる。前述の各警備会社に代表される「安全産業」も、保安官代行会社(民間警察)や賞金稼ぎ取り纏め会社として活躍するようになった。『シェリフ』は、そんな時代において一つの小さな地区・矢間下(やました)町を舞台に、安全産業を生業とする者達を描いた作品である。